2013年10月11日〜13日
分水嶺43 浄土平〜鬼面山
安達太良山を前に強風のため撤退

ichiran ichiran  map

メンバー:YbT(CL)、TkZ(SL)、YmT、YmS
 今回のコースはMrTが健在だった時に、新リーダになったばかりのYbTにCLをやるように提案されたものである。分水嶺山行としては、新人リーダにもできる程の安全なコースであるはずであったが、結果的には悪天候に阻まれ、途中撤退することとなった。
行程
11日 横浜駅東口23:05 =(深夜バス:D福島・横浜1号)
12日 福島駅 6:00 =  浄土平7:30・・・姥ヶ原8:30・・・東吾妻山9:10・・・景場平10:25
      ・・・幕川温泉12:20・・・鷲倉温泉13:40・・・土湯峠14:30
 13日 土湯峠5:30・・・鬼面山6:10・・・箕輪山手前(撤退決意)6:30・・・野辺温泉7:30= 福島駅9:30

2013年10月11日 金曜日 晴
横浜〜福島
 元々の計画では、12日の朝に6:04東京発やまびこ51号に乗車予定であったが、メンバーの一人がこの時間に間に合わないということで、前夜発の夜行バスに切り替えた。この為、福島駅には1時間30分も前に到着するので、余裕を持った工程になるので好都合であった。 この日の横浜は、晴れていたがやや強い風が吹いて、先行きの天候が気がかりであった。今回の山行には参加していないが、今までの常連メンバーのTbYからは、「安達太良では12日夜から冬型となり風が強く、吹雪くかもしれないので気象情報に注意」とのメールが、入っていた。  集合場所の横浜駅東口バスターミナルに着くと、TkZ、YmSが先に着いていた。YmSからは、標高2000m付近では、13日まで、風速20mの強風が吹く予報だと聞き、天候に不安を抱えての出発となった。バスは23:05に定刻通りに発車したが横浜駅では、乗客は少なく、2列シートにゆったり座っていられたが、経由地の東京八重洲口では、満席になった。

2013年10月12日 土曜日 小雨・風
浄土平〜姥ヶ原 
予定到着時刻より早く、6:00前に福島駅東口に到着した。予約してあったタクシーが待っていて、直ぐに浄土平に向けて出発した。浄土平までのスカイラインには多くの紅葉見物の車が停車していて、ビューポイントの天狗平は紅葉が綺麗であった。「紅葉のピークは、1週間程度先」との、運転手の話であった。早朝のせいか、渋滞も無く7:00には浄土平に到着した。 福島駅を出るときは晴れていた空は、浄土平では時々雨が降り、風が吹いて帽子が飛ばされそうになった。雨具とザックカバーを着けてストレッチの後、浄土平を姥ヶ原に向けて出発した。先行きの天気が気がかりだが、浄土平全体に響く女性陣の明るい笑い声が不安を払拭した。 姥ヶ原までは、木道の遊歩道になっていて歩きやすいが、一時間後に姥ヶ原に着いた時には、周囲に霧が立ち込めていて、視界は不良であった。この辺は、遊歩道なので、木道が入組んでいる。
浄土平を出発 姥ヶ原     
                     
浄土平を出発   姥ヶ原
姥ヶ原〜東吾妻〜景場平〜鳥子平登山口
 案内板でルートを確認し、東吾妻山(標高1,975m)への山道に入る。頂上付近までは樹林帯の中を行くので風はない。途中で、下山してくる一人の登山者に遭ったのと景場平くで、東吾妻山への登山者の一人と遭った以外は、人に遭うことは無かった。 吾妻山の頂上は、樹木は無く、強烈な風が吹いていたので、写真を撮影しただけで、近くの樹林帯に逃げ込んだ。そこは、嘘のように無風状態であったので立ち休みをした。
 景場平湿原は殆ど風は無く、池の畔で大休止を取った。分水嶺はこの付近から、相の峰(標高1412m) に伸びているはずであるが、周囲の景色は全く見えないので、ルートがあるのかどうかも見分けが着かない。ルートが見つかったとしても、相当困難な薮漕ぎになるはずだ。この場所から相の峰に向かうのは止めて、MrTが遺した計画書の案通りに、登山道を行くことにした。 日本山岳会(JAC)の中央分水嶺踏破の記録でも、相の峰へはスカイライン経由で行っている。鳥子平の登山口に下りて行く途中で、数人の観光客が池を目指してスニーカーで登って来た。悪路で滑りやすい道を登って行くほどの良い場所では無いはずと思ったが、晴れていれば周囲の景色は美しいのだろう。
東吾妻山  
東吾妻山 景場平の池の畔で大休止
鳥子平登山口〜土湯峠
 鳥子平登山口から、磐梯吾妻スカイラインの車道をしばらく行くと、「新奥の細道」と書いた標識があり、登山道に入った。そのまま、車道を行けば、分水嶺を通り、相の峰に行けるのであるが、大きく蛇行した車道を高速で走る車の危険性を感じながら行くのは気が進まなかったので、その後もできるだけ登山道(遊歩道)を行くことにした。
鳥子平登山口
鳥子平登山口 遊歩道入口
この遊歩道沿いのルート上には幾つかの温泉旅館があるので、給水には便利だと考えていた。 最初の温泉の秘湯の宿「幕川温泉」では、露天風呂に向かう人たちに遭った。ここからはしばらくの間一般道を歩き、鷲倉温泉に向かう途中で再度遊歩道に入った。この遊歩道には、木道が数箇所あるが雨で滑りやすい。落ち葉に隠れた、斜めになった木道で滑って転倒する危険性があるので、慎重に歩いて行った。鷲倉温泉の旅館で給水させて頂いた後、新野地温泉までは、車道を行き、新野地温泉の相模屋旅館の横に安達太良山登山口と書いた標識があり、登山道に入った。
  遊歩道と途中で日が差すと紅葉が輝く 幕川温泉 秘湯の湯

この登山道を道なりに行けば、本日の幕営地の旧土湯峠に着く。電柱の保全用の通路が笹を刈払いしてあって、幕営に好都合であった。テント張りは、風に煽られたが、なんとか設営した。夕食の前の乾杯はワインで、そして梅酒、バーボンで仕上げをした。4人ともお酒は好きだ。夕食のおかずは麻婆ナスを、美味しく頂いた。明日の好天を祈って18:00前に床についた。普段は、寝付きが悪いのだが深夜バスの疲れとお酒の酔で直ぐに眠ってしまった。 22:00時頃に、トイレに起きると星が出ていて、天気予報通りに晴れることは確信したが、強い風はおさまっていない。一晩中、テントを揺する風は止まなかった。
土湯峠 テント場
土湯峠        良いテント場が見つかった 

2013年10月13日 晴・強風 
予定通り4:00に起床し、テントを撤収後に、5:30にはヘッドランプが不要になったので、出発した。昨日よりは見通しが良くなり、遠くの山も見えるが、東吾妻山の頂上は雲がかかっていた。これから向かう、鬼面山方面の雲の流れが早く、不安がつのる。
土湯峠と東吾妻山の眺望(白い建物は、野地温泉) 鬼面山への登り
鬼面山(標高1482m)に登り始めると樹林は無く、高度を上げる毎に北西の冷たい風が強くなり、ザックカバーがバタバタと音を立てる。TkZの赤いザックカバーが飛ばされたが、低木に引っ掛り、回収できた。鬼面山では、他のメンバーもザックカバーをしまった。鬼面山を下り始めれば、風が弱くなると期待していたが、前方に続く一直線の登山道には、風を遮るものは見えないし、山頂は雲の中だ。ここで、メンバーにこの先に行くかどうかを確認すると全員が、首を横に振った。とにかく、鞍部まで下りて、風の弱い場所でルートを確認し、今来た道を引き返し、野地温泉に向かうことにした。この先は、箕輪山(標高1,718m)、鉄山(標高1,709m)を経て安達太良山(標高1,699m)がある。その安達太良山の前には、馬の背と呼ばる、尾根がある。無理して行って、中途半端な所で下山しても意味がないので、今来たルートを引き返して、野自温泉から、野地温泉に向かうことにした。
野地温泉に下る途中に、数名の登山者に合い、強風による撤退の話をしたが、「良くなるかも知れない」と言って、登って行った。殆ど風の吹かない、樹林帯の中では、強風などと言われても、想像できないことであろう。
 
鬼面山
鬼面山      鬼面山から箕輪山方向を望む
野地温泉でのバスの便は一日2便しか無く、しかも浄土平で乗り換える必要があるので、タクシーを呼んで福島駅へ向かうことにした。タクシーを待つ間にも、登山者が、土湯峠方面に登って行った。福島市内に戻ると、日差しが出てくると、ポカポカ陽気になった。福島駅では、「極楽湯」につかり疲れを癒した後、「東北頑張れ、福島がんばれ」のイベントの演奏を聞きながら、芋煮を食べて美味しいお酒を飲んだ。

   

帰りの電車では、早速リベンジの話が始まって、次回は母成峠から登るのが良いと決まった。
@郡山-[タクシー]-母成峠-安達太良山-箕輪山-鬼面山-旧-土湯峠-野地温泉-[バス]-浄土平
A一切経山-東大巓-峠駅
ならば、2日間コースだ。 途中の温泉で、一泊でもできるかも知れない。

今回の撤退の反省
 
以下の天気図を見れば、「強風に注意」の事前アドバイスに従い、11日時点で中止とするのが正しい判断であろう。
 それにしても、いつものことながら、下山後の好天気が恨めしい。 関東に帰って来ると、雲一つない快晴で無風状態であった、中止していたら、後悔していたかも知れない。

天気図1 天気図2
   
天気図3 天気図3
   

過去の悪天候の事例
 過去の分水嶺山行で、悪天候の為に、撤退・コース変更を強いられた事例は幾つかある。この教訓を生かせなかったのも、反省点である。
分水嶺23 南八ヶ岳       強風
分水嶺21 黒岩山〜馬坂峠  豪雨
分水嶺17 大水上山〜本谷山 強風


ichiran ichiran  map