チロル・ドロミテの山旅を終えて (T. T.) 2012年6月30日〜7月9日 参加者18人
ヨーロッパアルプスの東端に独・オーストリア・イタリアの三カ国に跨る山群を約一週間で駆け抜けてきました。印象的だったのは、ドロマイト岩と分類される堆積岩が隆起・長い年月をかけてふうに晒され、絶え間ない侵食を受けて、現在の他では見られないような山の姿になったようです。その代表的な山、ドライチンネの一周トレッキングと隣のパテルノ山岩登りが今回のハイライトでした。
見る方向と日差しの加減で草木も生えてない山肌が生き物のごとく千変万化する光景をみなさんと楽しんできました。
雷雨と風に遮られて高いところを諦めたのは一日だけ、あとはアルプスの一部雪の残る山並みと草原のお花畑の中の歩行、バス車窓から窓辺に花の飾られた綺麗な家並み、牧歌的でハイジがでてきそうな風景を満喫できた旅でした。
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アルプス鳥瞰図 |
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アルプス東部地図 |
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第2日目 2012年7月1日 ( T. T. )
ドイツ南部の最高峰ツークシュピッツェ峰2,962mに登山電車とロープウェイで2,000mを一気に登り、山頂からの眺望を楽しみ記念写真を撮り、また一気に下り、次の観光地インスブルックに。ハプスブルグ家の統治下にできた街並みは小奇麗で店先露天のカフェで寛ぐのも山旅の合間の自由散策の一つ。
今回は参加者全員の協力で迷子なし、遅刻なしで全行程をまた怪我人、病気なしで成田まで全員無事に戻れました。これは計画を煮詰めて頂いたTさんのお陰と、代役CL・参加メンバーともども感謝いたし御礼を申し上げます。
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ドイツ最高峰ツークシュピッツェ絵地図 |
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ツークシュピッツェ展望台にて |
頂上付近からの眺め |
第3日目 2012年7月2日 ( I. T.)
風雨のフェネス谷のハイキング
小雨の中、ツアー会社手配のバスでホテルを出発、セルデンという街のゴンドラ駅に突きましたが、雷と強風で運航停止中。バスをゴンドラ中間駅まで運転をお願いし、予定のトレッキングコースを歩き始めました。
草原の花々は色鮮やかでとても綺麗でした。一方、本当はチロルのアルプスの山と氷河が見られるコースでしたが何も見えませんでした。残念! 花の草原と山羊の親子が寄ってくる眺望の良い素敵な山小屋レストランで早めの昼食、海外のトレッキンではゆっくり時間をかけて食事を楽しむようです。外は雨、再度全員雨具を着て歩き始めましたが、雨が小粒の雹に変わり、ほぼ半分の行程で中断。
また近くの山小屋に避難。お茶休憩。バスを回送していただきこの日はホテルに引き上げた。天候に恵まれない一日でした。
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ガイスラーコーゲルハイキング |
アルプスの花々 |
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第4日目 2012年7月3日 ( K. N. )
リッフルゼー(湖)ハイキングとセネス谷散策
きょうからイタリアのバスに乗り8:30始発のリフトで山上湖リッフルゼー2,200mに。残雪を踏んだり湿原に咲く花々を愛でながら静寂に包まれた美しい湖を一周する。アルプスを代表する花アルペンローゼを始め、別名悪魔の爪といわれる紫の花、玉シャジンや色違いのイワカガミの仲間が印象的であった。
往復切符で下山、車窓からの山麓に広がる緑豊かな牧歌的な風景や切り立った深い谷、岸壁を流れ落ちる滝などを楽しみつつ、ピッツ谷から古都インスブルック付近を通過、ブレンナー峠を越えて何ともいとも簡単にオーストリアからイタリアに入った。「ボンジュールノ」12字10分ここのローカルレストランで遅い昼食、注文したパスタは美味でした。途中あのメスナーが生まれたというサンペトロ村に入る。ここではじめて素晴らしいドロミテの岩峰群が現れ皆、大感激。丘の上に唯一建つ教会をはじめ、絵のように美しいと思われる風景の中を散策、しばし「アルプスの少女ハイジ」の世界にどっぷりつかった。村の喫茶店で民族衣装の可愛いウエイトレス嬢にそれぞれ注文、ゆったりとお茶タイムをする。
午後4時出発、私たちはドロミテ街道をひた走り、巨大な怪峰サッソ・ルンゴ(長い岩峰の意味)を間近に見る山腹にあるホテルモンテ・バナに到着、明日はいよいよドロミテアルプスへ!
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リッフルーゼ湖周辺地図 |
リッフルーゼ湖をバックに |
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フェネス谷とサッソルンゴ山群 |
宿泊ホテル サッソルンゴ峰をバックに |
第5日目 2012年7月4日 ( T. Y. )
怪峰サッソ・ルンゴの麓
おそらく今回の山旅で一番素敵なホテルと思われる山上のモンテ・バナに泊り早朝散歩をしたくなる雰囲気を持つ環境でした。
朝食後すぐ近くにあるリフト乗り場から10分位で山裾の草原地帯に着き、放牧されている沢山の牛に歓迎されながらお花畑の景色も楽しみ、エミリオコミチ小屋まで約1時間半の散歩?ここで予定外の二人乗りゴンドラでサッソルンゴ峰の一つに行く事になりました。これが大変面白くスリル満点の乗り方は飛び乗るのです、失敗すれば転ぶこと請け合い、さすがみろくのメンバーは皆すんなりでした。ここからセラ峠を越えボルドイ峠小屋で昼食、旅慣れて食事の注文も早く各自の好みで手早く済ませ、次のハイキングへ。
ドロミテの女王と称されるマルモラーダ峰の眺望を求めて往復1時間半のハイキングに出発、この道は周囲を幾つものドロミテ特有の怪峰に囲まれ、黄色・赤・紫等々の鮮やかな可憐な花々に囲まれ疲れ知らずに歩かされる山道でした。森林限界は1,500m、草原はその上1,700m位まで山肌は光線の加減で白く、赤く輝き見飽きませんでした。マルモラーダ山は3,342mで雪渓を残した堂々とした山容でした。
日本の上高地みたいな登山基地の街コルチナのホテルに荷物を放り込み、早速明日の昼食間食他の買い物をしたりして一日を終えました。
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第6日目 2012年7月5日 ( S. M. )
ドライチネンネン峰一周ハイキング
今回のヨーロッパアルプス東端チロル・ドロミテを巡る核心部ともいえるところまでたどり着きました。コルチナの宿から北上、ミズリーナ湖で湖面に映える山峰を写真に撮ったりしながら出発点のオーロンツ小屋駐車場(2,320m)へ、ここで身支度。まさに写真の通り垂直にそそり立つ岩峰を約6時間で一周するトレッキング開始です。
近くで見る岩肌は長い年月風雨に晒され表面から落ちた砂礫で麓が砂の緩やかな斜面となっており、その端を私達が歩く登山路です。この日は曇り空と遠くに雷鳴を聞く雨降りとがあり、折り返しのロカッテリ小屋に着き、ゆったり昼食になり、ほっとしたひととき。残りの半周は登り道にくらべ変化に富んだ下り道。この頃になると周囲の山は皆同じように見えてきました。標高が2,400mほどの高原では花々は乏しく他の地に負けましたが、これがドロミテだ、を味わった一日でした。
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ミズリーナ湖 |
ドライチンネン一周ハイキング開始 |
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終点間近 |
第6日目 2012年7月6日 ( H. A. )
ドライチンネン一周ハイキング組11人、MTパテルノ岩登り組7人。二人のイタリア人ガイドと共にロカッテリ小屋(2,400m)まではお花と岩山を楽しみながらトレッキング。その後ハーネス、ヘルメット、シュリンゲ付きカラビナ(すべてレンタル)の装備を付けていよいよ岩登り開始。
まずは第一次世界大戦中に使用した長いトンネル。ところどころに大きな穴があり、そこからこの世のものとは思えぬ素晴らしいドロミテ山群を眺める。さすが世界遺産だ。その後、固定ワイヤにセルフビレーをしながら岩場を慎重に登る。パルテノ山頂(2,744m)に着くと黒い雲が・・・。急いで安全なところまで降ってきたところで全員でばんざーい! 楽しかった! 日本で岩の練習をして下さったCL・SLに感謝感謝だ。 |
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パテルノ山登山開始 |
山頂 |
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下山開始 |
穴からのドライチンネン |
第8日目 201年7月7日午前 ( M. S. )
ハイリゲンブルートから名峰と氷河眺望ハイキング
蔵から秘伝の機械をだして6日へ遡航、われらトラバース組が充分満足してバスに戻って間もなく岩組が帰ってきた。シルエットから仲間の顔がわかるまでに来たとき、バス内の全員からワーッと歓声が上がった。安堵感からの声である。この一瞬バスは確実に膨らんだ。忘れえぬことである。越境ご無礼、さて本稿へ。
朝ホテルの前でのスケッチも定刻8時半の出発のため中止、乗り込む。間もなくフランツヨーゼフヘーエの駐車場へ到着。迎えてくれたのは少し霧模様の天気であったが、ストレッチ体操後一般観光客向け展望台を通りぬけ、六つのトンネルを抜けるとパーツェン氷河へ落ちる大斜面に刻まれたトラバース路に出る。氷河の突き当りの雪山は、重さ300kgを越える皇帝の十字架と称する記念碑を、地元山岳会が担ぎあげ据えたとされるグロースクロックナー峰3,798m。この峰々に降った雪が氷河を作っている。
10時45分、手元の高度計で2,005m地点から折り返し、復路は横道を降り草原の中を歩く。花々に囲まれた高地の静寂、色とりどりの花、エーデルワイスもある。また長いトンネルに入る。この中には掘削時に使われた工具、大きな水晶の塊、パイプオルガンの管を並べ水琴窟の真似事(技術指導をしてあげればさらにいいものにと勝手な想像)。11時半で山歩き終了。
展望食堂で各自腹を満たした後、移動手段のバスも乗り納め、約3時間のまどろみの内にザルツブルグ、ホテルオイローパ着。日々鋭直線の旅、緊張の連続でしたが、いろんな方々に感謝。
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