六甲全山縦走        

日時・天候・ランク  2016年 3月 13日 (日)  晴  B-C-13.00 23名
 コースタイム
3班
6:00;受付(須磨浦公園)スタート 
・・・
 9:41菊水山下・・・12:00大滝寺前 
・・・ 16:27六甲最高峰下・・・ 19:17ゴール(塩尾寺下広場)   
 六甲全山縦走山行記
 2016年3月13日(日)に開催される六甲全山縦走での全員完走を目指し、三浦でのトレーニングは、全11回の予定で2015年12月23日(水)から始まった。
 初回は、京急長沢駅から中間地点の東逗子駅までの短いコースであったが、2016年は正月気分の抜けきらない1月4日からトレーニングを開始。この日から京急長沢駅〜大船駅(約43㎞、標高差累計約2,000m)のコースで、毎週1回の三浦トレーニングが始まった。
 三浦トレーニングのコースタイムは、11時間前後が標準的であるが、本番近くの2月13日のトレーニングでは、10時間程度に時間が短縮できるまで皆の実力がついてきた。(残念ながら、私はこの回の早いスピードについて行けず、ゴール近くの鎌倉十二所でリタイヤしてしまい、以後、メンバーから当日の完走を心配されることとなってしまいましたが。。。)


 今年の六甲全山縦走は、阪神地区など兵庫県下の45の山の会(会員総数2600名) が集まった団体である兵庫労山が主催する第50回のメモリアル大会で、例年の参加者数をはるかに超える約1,545名が参加申込。みろく山の会としては、4回目の六甲全山縦走への参加となる。
 当日は、東西の山の会として親交がある『西宮明昭山の会(明昭山の会)』により、コースの先導や食べ物の差し入れ等のサポートがあり、大変お世話になったことが忘れられない。



三浦でのハードなトレーニングを経験し、参加メンバーは自信満々で、前日の3月12日に神戸入りをした。本番を前に、姫路城を見学したり、各自が前日をリラックスして過ごし、宿泊場所である三ノ宮駅近くの『神戸三宮R2ホステル※』に、夜までに三々五々集合した。
※🏣651-0096 神戸市中央区雲井通2-4-6
 ☎080-4496-3034 E-mail kobe.hostelz@gmail.com

当日は参加メンバー23名は以下の3班に分かれ、第1班は長島リーダー、第2班は関リーダー、第3班は坪井リーダーの指示に従い、全員の完走を目指した。(以下、敬称略)
第4回六甲全山縦走班編成表(クリックで表示)→  六甲全山縦走班編成表

 3月13日、当日の朝は3時半に起床。各自で朝食をとり出発の準備をするが、昨日のリラックスした雰囲気とは違い、さすがに緊張感で皆が無口になっていた。
集合時間の4時半に宿の玄関前に集合し、まだ夜が明けない街中を二手に分かれて駅に向かった。
 神戸三ノ宮駅から阪急電車に乗る予定であったが、先行したメンバーは三ノ宮駅から阪神電車に乗ることとなり、予定通り阪急電車に乗ってきたメンバーと新開地駅のホームで一緒になるというちょっとしたハプニングがあったが、却って皆の表情が和むこととなった。
 既に新開地駅は本大会の参加者で騒がしくなってきたが、コースを先導して一緒に歩いて頂ける明昭山の会のメンバー3名とも、同じくホームで無事に待ち合わせをすることができた。
 電車の中では、みろくの安部善雄さんから頂いた完走した際に配る予定の記念品を、長島リーダーが「完走記念」として歩く前に皆に渡し始めたので、受け取った以上は何としてでも完走しないといけないと、各自が心を引き締める場面があった。
 出発地点である山陽電鉄の須磨浦公園駅に5時29分に着くと、既に改札口を出てすぐの所まで参加者が溢れていた。
 まだ夜が明けていなく暗い大阪湾に浮かぶ船の明かりだけが見える中、逸る気持ちを抑えつつ、5時54分に大会受付を終えるまでに20分以上の時間を費やすこととなった。
風がなかったので、並んで待っている間も寒さを感じることはなかった。
 全員が受付を終え、ストレッチをして出発の準備を整えると、坪井CLが『六甲全山縦走、いくぞぉー』と叫ぶと、皆で『オー』と3回応えて気合を入れると、1班から勢いよくスタートを切り飛び出して行った。これ以降、1班の姿を見ることは殆どなかった。
 歩き出すと、標高200mほどの鉢伏山まで、いきなりのやや急な登りとなったが、この標高差であれば、三浦で十分にトレーニングを積んできた範囲であり問題はなかった。
 次に、かつては旗振通信をしていた場所として明石海峡大橋が望める旗振山(252.6m)、急な階段を上って栂尾山(274m)、横尾山(312.1m)と進んでいくと、両サイドが崖になってスコンと切れている「馬の背(須磨アルプス)」が出現する。写真で見るとよく分からなかったが、歩く場所は地面が削れてやや低くなった細い道なので、それほど危険は感じなかったものの、雨や風の強い日には注意が必要だと感じた。
 高取山(312m)を過ぎて、丸山市街地では、一緒に歩いて頂いた明昭山の会の方のおかげで道に迷うことなく通過することができた。
 鵯(ひよどり)越(ごえ)駅の横を通りしばらく進むと、最初のチェックポイント「菊水山下」で、9時41分にチェックを受ける。この先が、いよいよ本日の最初の難関となる菊水山(458.8m)の急峻な登りで、NTTの無線中継所のある頂上をひたすら目指した。3班メンバーのHMが途中で足を攣ったが大したダメージではなく、全員が順調に頂上に到着した。
 頂上では、明昭山の会のサポートの方々により、ポカリスエットやリンゴ、グレープフルーツ、トマト、ブドウ、塩などの沢山の差し入れがあり、メンバー全員が冬眠前のクマのようにひたすら飲みまくり食べまくった。本当に有難い差入れだった。本大会の主催者である兵庫県勤労者山岳連盟(労山)の方々からも、バナナの差し入れがあったが、こちらも食べ放題と勘違いして、複数本をわし掴みにしようとしたら注意され、一人分であるバナナ半分をその場で頂いた。
 一息ついて元気になり菊水山を下り、有馬街道にかかる天王吊橋を渡り、本日二つ目の難関で、その名前の通り鍋蓋を閉じたような山容の鍋蓋山(486m)に向かった。菊水山は階段が多かったが、一般的な登山道の様相である鍋蓋山を越えると、次のチェックポイントの「大竜寺前」に着き、12時ちょうどにチェックを受けた。チェックポイントでは、「参加カード」にあるポイントの該当箇所を主催者の担当者が切り取るのでそのまま渡し、通過時刻を記入して貰うことで完了する。
 ここでも主催者からの差入れがあり、頂いた紙パックのジュース1本を一気に飲み干した。

 ふと見ると、2班にいたはずのSTがどこからともなく現れたので皆が事情を聞くと、2班のスピードが速すぎて、「大竜寺前」のチェックポイントに着く前に、2班から離脱して3班に吸収されようと待っていたとのこと。
 我々の到着を待っている間に十分な休憩を取り、すっかり元気になっていたSTを含め、3班は8名となって、三つ目で本日最後の難関である摩耶山(698.6m)を目指した。
 体力は回復し元気になっていたSTであったが、途中の急登で足を攣る事態になった。幸い応急措置により、その後は問題なく歩き通すことができた。
 広々とした河原の市ケ原を過ぎると、標高差450mを超える急な登りとなり、岩だらけの天狗道を抜け、日本三大夜景の一つと言われる摩耶山に到着した。
山中を走るケーブル・ロープウェーや車で山頂まで登ってきたであろう一般の観光客を横目に見ながら、ゆっくりと景色を楽しむ余裕もなく、次のチェックポイントのある一軒茶屋を目指す。
 アスファルトのドライブウエイを歩くと、やや単調な歩きに意識が朦朧としてきたり、足の裏が痛くなってくるが、摩耶山を超えてここまで来れば、あとは完走するしかないとの気持ちで、皆が黙々と歩く。

 最後のチェックポイント「六甲最高峰下」に16時27分に到着すると、再び、明昭山の会のサポートの方々により、暖かいコーヒーと紅茶、バナナ、シュークリーム、チョコレート、アメ等の差し入れがあった。やや肌寒くなり、疲れも出てきた体には、暖かい飲み物と甘い食べ物は胃袋に沁み渡り、非常に有難かった。  チェックポイントにいた大阪弁のおじさんが、『明日も六甲登るのとちゃうねんか?』としきりにボケていましたが、疲れていたうえに、せっかくの関西のボケに対しても、慣れていない我々は上手いツッコミが出来なかったのが、心残りでした。

 時間制限もあり、六甲山最高峰(931.1m)には行かなかったので、最後のチェックポイント「六甲最高峰下」からは下りが中心で、残りの行程はちょうど3時間の予定。あと1時間半ほどでゴールかと勘違いしていたメンバーは、あと3時間と聞き、ややショックを受けていた。時間は途中で日が暮れることになるので、全員がヘッドライトをすぐに取り出せるように準備した。
 ここからは、下りが中心の登山道ではあったが、暗くなった18時頃から天気予報通り雨が降り出したので、雨具とヘッドライトを装備し、足元に気を付けながらゴールを目指した。時折、宝塚の街の明かりが木々の間から見えるようになり、ゴールの塩尾寺が近いことが分かる。19時くらいになった時に、1班の長島リーダーが心配して途中まで迎えに来て頂いていたので、固い握手をして完走が目前に迫っていることを喜びあった。
まもなくゴール!
 
1班ゴール
 
2班ゴール
 
3班ゴール
 
19時17分、3班全員で一緒に感動のゴール。

 その場で各自が『完走証』を受け取り、嬉しさを噛みしめたが、SYが受け取りを失念し、明昭山の会の同行者の方から後刻受け取ることとなった。
 ゴールでは、お餅の2個入った暖かい「ぜんざい」とお茶が配られ、あまりの美味しさに、私は3杯も頂いてしまいました。
 また、ゴールでは、現在は芦屋にお住いのみろくメンバーである戸田祐一さんが温かいオレンジジュースを準備して、皆に振る舞って下さいました。
 我々の到着を待っている間に読んだ趣味の俳句が、次の一句です。みろくへの愛情が感じられ、本当に有難いです。
          『旧友の声近づくや春の宵』

 みろくからの今回の参加メンバー全員が、同じ帽子、安部善雄さんから頂いた名前のタグ、完走のお祝い品の3点を身に着け完走を果たし、主催者からの『完走証』を頂きました。
 全員の完走は、ルートのサポート等で一日を一緒に歩いて頂いた明昭山の会の3名の方々、チェックポイントで飲み物や食べ物の差入れをして頂いた同じく明昭山の会の方々、大会関係者の方々のお蔭であり、大変感謝をしています。

 また、三浦での厳しいトレーニングで、全員を完走に導いて頂いたみろくリーダーの方々や、励まし合い一緒に歩いて頂いたメンバーの方々、ゴールで待っていて下さった戸田さんにも、大変感謝しています。

 六甲全山縦走の全体の完走率が7〜8割を言われている中で、みろくから参加したこれまでの4回のメンバー全員が完走できていることは素晴らしい実績で、これからも駅伝のタスキを繋いでいくように、みろくの伝統として継続できればと思っています。
六甲全山はなかなかタフなコースですが、完走した時の感動は非常に大きく、クセになりそうです。(横山 記)
各班のチェックポイント通過時刻・縦走時間の実績(クリック)→通過時刻
  
 みろくお揃いの帽子  完走証  第50回記念大会てぬぐい