2011年8月10日(水)〜15日(月) |
晴れ、但し13日夕刻に夕立 |
(メンバー) |
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この企画は昨年夏「上の廊下」に挑み成功した6名で実施する予定であった。しかし岩に強いEYが体調をこわし、泳ぎの達人MMが節電対策のため休暇取得ができず4名での挑戦となった。両人の不参加に不安を覚えつつも7月2〜3日に丹沢「ザンザ洞」にて演習を行い、赤石沢への挑戦に備えた。赤石沢は赤石岳や聖岳等の3千m超の大山塊を水源にて大井川へと流れ込んでいる。赤石沢の名前の由来しているラジオラリアの美しい赤石と清くエメラルドグリーンに澄んだ深い淵、その淵へ流れ落ちる幾十もの滝、長く急峻なゴルジュ等々多くの魅力を有し「山と渓谷社:「関東周辺沢登りベスト50コース」では「NO1沢の王者」と紹介されている。しかし上級の沢として登攀、水泳、ルートファインデング、体力、気力、胆力等々総合力を要し、我がPTも全力を使い果たし、やっとの思いで完走した。平均年齢63歳の4人に限界を感じさせた遡行であった。 |
2011年8月10日(水)1日目 |
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2011年8月11日(木)2日目 |
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(1)・四人の願いが通じ、天気予報通り快晴。余分な持ち物をコインロッカーにいれて出陣の前に記念撮影。いざ牛首峠へ・・・5:50 ロッジの社員からヘリ入れないから気をつけてと言われて気合の入った表情 |
(2)・牛首峠到着、立派な道路標識が頼り。沢に下りるはしご段がみえる。6:03 |
(3)・CLが先頭で沢に下りていく。 |
(4)6:15準備体操も終了してスタート。すぐに長い長いゴルジュ(イワナ淵からニエ淵へ続いていく)に突入。深いエメラルドグリーンの淵を持った小滝が連続する。岩がどれも大きい、冷たい水が真に気持ちよい。この辺ではまだまだ余裕たっぷり 6:45 |
岩のシュリンゲ 6:50 |
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今日2度目の泳ぎ |
(7)「アイスハンマー・・・と案内されているつるつるの岩と深い淵(上)、泳ぐ KT 7:40 |
まだまだ続くゴルジュ、左岸から落ちる滝 |
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微妙なへつり 9:05 |
(9)大岩通過 9:27 |
上の大岩が滝の落ち口になっている。下の写真の人物はTY、大岩の基部にいる。岩の大きさがよくわかる。このような大岩がゴロゴロ。 ⇒深い瀞左岸を慎重にトラバース 9:30 −残念なこと− 岩がぬめっている。ここまでで何度か滑ってしまった。 |
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(11)虹の淵? 次々に登場してくるのでわからない 10:21 まことに美しい |
(12)巨岩群 取水ダムはまだ見えてこない10:42 |
まだまだ続く 10:30 ⇒(13)大岩の隙間をくぐり出る 10:56 |
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もうスタートから5時間近くになる。コースタイムでは北沢出合までが4時間である。結構順調に進んでいると思っている。取水ダムが見えてきてもよいのだが・・・ |
見えた・見えた取水ダム! 11:42 |
(15)ダムを超えると、そこは赤石沢の本来の水量となる。何倍・・いや十倍位の水量と水流の強さも物凄い。無事第1難関の長いゴルジュを通過したことの達成感・満足感を味わうまもなくこれからの水との戦いに気を引き締めた。北沢出合も近い・・ |
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ダムを超えた 11:57 |
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(16)北沢出合着、先を遡行しているのは我々を追い越して行った2人の若者(男女)、あっという間に見えなくなった。右側から流れ込んでいるのが北沢。源頭は赤石岳。 |
次の難所は門の滝。しかし北沢出会からも続々と小滝や大石が現れてくる。激流の渡渉も。 |
流入してくる支沢 13:26 |
(17)ついに到着した「門の滝」50m位先か?写真ではその大きさを表わし切れないのが残念である。とにかく「凄い」としか言い表させない。14:01 これはどのように通過するのだろう???ガイドブックでは「右岸がルート、草つき泥壁から登り、ブッシュにランニングビレーを取ればバンドに上がれる。バンドはハーケン4本がある。濡れた外傾バンドをトラバースすれば終了」とある。踏み跡はガイドの内容と異なっている。この写真を撮っているところから斜め上に草の中を登っている。HYは左岸に巻きがあるとネットにあったという。悩み悩んだ末、ふみ跡を辿る事を決定。TYがリードでロープをつけ登攀開始した。ロープが止まりビレー解除、NE・KT・HYの順に登る。しかし2P目がわからなくなる。このルートは明らかにガイドブックとは異なる。バンドに上がれるような見込みは100%ない。「踏跡は草付に、しかも傾斜は相当なものを直上している」とかすかに感じる。 ルートが判らない。時間も経過していく。ここまでで疲労感も激しい。下ればテンバはよさそうであった。下って今日はそこでBPにしよう意見まとまる。下り用の2本目のロープをセット。ここでCLより「やはり上に行こう。明後日の天気が懸念される。少しでも先に進もう。沢の左岸上方に見える大木までいけばそこから滝に向かいトラバースできるように見える。」と提案。CLのプランで行くことに決定。安全確保のためハーケンを打つ。HYのビレーでTYがリードで登攀開始。ロープはTYが目視できる間はスルスルと伸びていったが、しばらくするとピタッと止まってしまった。不安がよぎる。・・・・30mのロープが伸びきる手前で「ビレー解除」の合図を聞く。ホットした。NH・KT・HYの順で登る。KTは途中でハーケンが1枚打たれていたのを発見したが他の者は気づかなかったとのこと。沢を渡り大木の所でTYがビレーして待っていた。 |
<右に流れ落ちているのが門の滝。 草付でルートを見失ったときの写真> 次は赤石沢に戻るべくトラバース気味に登っていく。やはりTYがリードですすんで行く。 ロープも順調に伸びていく。右の写真はトラバース終了し沢に戻り始めたTYであり、その沢が下に見えた赤石沢の写真である。 |
16:01 (18)赤石沢に戻ったのは16:20頃 もうここから先は全員疲れ果ててしまっており進行無理。 滝の落ち口に臨時のテンバを作りBPとすること決定。 整地し、タープをはる。ツエルトは張れない。薪をひろい焚き火。HYに魚を釣ってもらう。大きな「あまご」1匹ゲット。日本酒であまご酒をつくり乾杯。今日の疲れを癒す。オイシイ・・・ * あまごとやまめの相違点・・・あまごには赤い斑点がある. |
赤い斑点のあまご 18:21 |
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おやすみなさい 18:19 |
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テンバの傍は門の滝の落ち口、物凄い水音に さすがのTY・HYの鼾もまったく聞こえない・・・ |
2011年8月12日(金)3日目 |
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(1)5時夜明けと共に起床。今日も最高の天気、感謝感謝。6:45BPを出発。 出発前にそれぞれが準備 5:48 |
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(2)出発してまもなく最大の核心部とも紹介されていた「洞窟の滝」に到着。 写真下側の巨岩の間を登る。まずHYが岩穴に突入。内部はテラス状、4m位上に出口の明かりが見える。上から頼りなさそうな スリングが垂れ下がっている。TYが用意していた簡易あぶみも使いKTがリードで洞窟脱出を図る。3人が下から足にアブミを 通したり押し上げたり一致団結。スカイフックを引っ掛け腕力で上体を穴から抜け出す。しかし腰が引っかかって抜けない。手もだんだん限界。 何とか腰を左にスライドさせて抜け出る。グッタリ しかしそこはまだ洞窟の滝の中間点。もう1ピッチ登らねば滝の上にでない。 |
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巨岩の間を登る ここはNHがリード、TYがビレーで右側を登る。滑りそう、ホールドなさそう、いやな感じであるがさすがNE、上からビレー解除のコール |
洞窟の滝は1時間超を要して無事通過した。滝落ち口にて後続く3人組が近づいて来るのが見えた。 |
ビレーする NH 8:10 |
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(3)洞窟の滝の次は激流の渡渉が待っていた。HYがリードで渡渉しロームを両側に張る。上の廊下で実践したスタイルだ。8:23 |
岸に咲くあざやかな 「なでしこJAPAN」 |
(4)進行方向に滝が現れ登れそうにない。左岸からの高巻になるのであるが左岸は大崩落の「ガレ」しかも結構傾斜もきつい。これが「大ガラン」カ?・・・しかし大ガランは「ねじれ沢」を越えたあとと遡行図にはある。おかしい・・・「ラク!」緊張の一瞬。ガレ場をどんどん斜上していく。かなりの高度になってガレ場を通過、その先は草付・雑木地帯、かすかな踏跡をたどり斜上を続けると大滝が正面に見えてくる。どう考えてもこれは「ねじれ沢のF1」だ。しかしここから滝をトラバースできない。赤石沢へ下る踏跡もない。ルートまたもや不明。ここでHYが偵察に直上してくると出発。しばらくして「OK」の合図あり。F1頂上近くをトラバースして対岸に渡る。あとは木やその他を頼りに赤石沢に無事戻った。高巻に1時間以上要した。 その後大ゴルジュに到達するまで左岸に沢もなく、大きな崩落跡もなかったためここが「大ガラン」、沢が「ねじれ沢」と確信した |
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(5)ラジオナリアの赤石が美しくなってくる 10:23 |
ロープを張っての渡渉 10:30 |
10:59 |
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近づく3人、その差30分 10:59 若干小休止、3人組(藤沢山岳会)に抜かれる。彼らはみなスニーカシューズ。相当の「つわもの」か? |
次はいよいよ大ゴルジュが待っている 11:10 |
(6)大ゴルジュ 11:46 ゴルジュの入り口の到着。ものすごい。こんなゴルジュ見たことがない、来る者全てが瞬時に突破を断念してしまうツルツルの大滝が何段にもなって峡谷の奥に続いている。小生の写真技術ではその迫力が表せないのが残念。勿論誰も突破しようとは一言もなかった。 高巻は右岸にあるシシボネ沢の左岸ルンゼを登る。このルートは先に追い抜いていった藤沢山岳会が手招きしてくれていた。この写真はルンゼから撮ったもの。途中からザイルを出しリードはTYがそのままつとめた。シシボネ沢から離れ斜上したところでピッチを切った。2P目はHYがリードで泥壁を登る。所々にある立ち木や根を頼りに確保し、急斜面を登ってピッチをきった。ここで踏跡はトラバース気味についているようにみえる。しかし」先は垂直の岩壁となっていて進めそうにない。NHが偵察にいくも不可。結局さらに直上することにし3P目はKTがリードでいく。途中立った所があり苦戦。腕力でどうにか登ってビレー解除をコールした。 ここからは踏み跡が結構はっきりとついていた。トラバース気味に下っていったところNEが偵察にいったあたりを別のPTが下っていた。ルートの間違いを大声でTYが教えてあげた。 100m以上のクライミングをしたのではないだろうか。赤石沢に戻った時は疲れ果ててそこに丁度良いテンバがあったためここをBPにしようと声がでた。 今日は昼食時間を設けずに来たことを思い出し軽く食事タイムとした。15:05〜17. |
大ゴルジュ入り口 |
右岸から流れ込んでくる小雪渓沢 |
シシボネ左岸 |
ルンゼを登る |
約3時間半を要して大ゴルジュも突破できた。 明日の天気も気になることから更に前進することとなった。 |
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前進・前進・前進・・・ |
16:30 小雪渓沢と大雪渓沢の中間点の所でBP |
今日はツエルトも張る。HYとKTが1匹づつ「あまご」をつる。今日もあまご酒で乾杯。塩焼きもおいしい。 |
おやすみなさい |
2011年8月13日(土) 4日目 |
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1)5時起床、6:45出発、みな一昨晩より良く眠れた模様。疲はたまっているものの元気よく出発。 6:52 大雪渓沢が右岸より入ってくる。大雪渓沢は聖岳を源とする大きな支沢、この時期でも雪渓を残しているのを翌日発見。6:52 。 | 美しい沢手前 |
最も美しいと思った滝 |
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裏赤石沢と間違えた沢 左岸より合流 8:03 |
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(2)8:31裏赤石沢出合に到着。1:1と思える水量で入ってくる大きな沢であった。 この沢の水源は百間平。 |
水量も半分か。遡行しやすくなる。 赤岩が一層美しい。 |
岩はほとんどが赤いわとなってくる 9:28 |
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9:46 百間洞出会についに到着 (3)ついに百間洞の出合に辿りついた。 小休止をとりゴールの百間洞山の家に向かって出発した。 |
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しかし 百間洞も易しくない。10:52 |
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11:03 |
ロープだしも頻繁 |
百間洞と錯覚した大滝 |
百間洞大滝 |
(4)12:14百間洞大滝の下に到着した。豪快な滝らしい滝であった。勿論直登は不可能。左岸のふみ跡を・・・とガイドブックにあった通り明瞭な踏跡が左岸にあった。TYのリードで登っていく。核心部は滑ってさらに外傾している。5m位だが真にいやらしい。ハーケンが2本打たれている。KTはトラバース大嫌い、辞退。TYが名乗りを上げる。さすがである。空荷でロープをセットしてすすむ。クリアーか?見えなくなっている。ビレー解除のコール。ほっと一安心。チョンガケでみな渡る。HYだけリュックを取りに戻ったので3回もトラバースした。約1時間を要して無事沢に戻れた。 |
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大滝の落ち口 |
高巻から沢におりる途中のHY |
5)大滝を過ぎると沢も大変おとなしい感じになってくる。 だがHYの歩きがおかしい。滑ってしりもちをうちいためたとのこと。 14:00 |
14:23 |
14:45 小屋が見えて万歳の記念撮影 |
ビールで祝杯 なお、夕立はTYの予想通り 4時頃やってきた。 乾杯!おいしい! |
2011年8月14日(日)5日目 |
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4:48 |
4:55 |
百間平 5:33 |
大雪渓沢の雪渓と聖平 |
日本横断チームとの合流 5:55 |
赤石岳山頂 8:09 |
赤石岳からはロングな下りである。横断チームとのうれしい遭遇によって20分位予定を超過した。赤石岳山頂では記念撮影のみで先を急いだ。赤石岳は3.120m、椹原ロッジは1,123mでその差は約2,000mである。1:30にロッジ着とすれば残りは5時間20分位。かなり難しい。まだ断念せずに出発。荒川三山への分岐を赤石小屋へと進む。ここから傾斜が一段ときつくなる。北沢右俣の源流部だ。途中水場で小休止。北沢右俣を通過して富士見峠までのアップダウンが長く感じられた。10:10富士見峠着。ここで2時発の最終バス断念。10:20出発。椹原ロッジ泊が決まれば後は安全に満点で着地を決めるのみ。10:50に赤石小屋着、三角点から今夜宿泊予定の民宿にキャンセルを通知し、11:50大休止後出発。15:45無事に到着した。 |
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この後、まずビールで乾杯。健闘を讃え合った。夕食時にもまた乾杯、そして部屋に戻って地酒で乾杯。何度乾杯しても仕切れないほど厳しくも充実した赤石沢であった。一晩中HYの寝息も豪快に部屋に響き渡っていた。 |
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記念撮影 15:48 |
2011年8月15日(月)6日目 |
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