4時半起床。A班のメンバーの内、1名が足が攣ってしまいこれ以上続けられないという。更にもう一人が肩が外れそうなので荷物を背負えそうにないという。5人のメンバーの内3人がリタイアということになり、2名では班の態をなさい。申し訳ないとは思ったが、A班はここでで全員リタイアさせていただくことにする。6時半に出発するB班を見送り、8時にテントを畳んで山頂駅に行き、9時始発のロープウェイで下山した。
一方B班は、予定とおり黒百合ヒュッテを目指して前進することにする。昨日とはうって変わり、スノーシューでしっかり踏み固められた道が続いている。一気に縞枯山まで登る。風のある頂上を行き過ぎて風の無いとことで休憩した後、茶臼山に行く。
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縞枯山の尾根を朝日に向かって歩く
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茶臼山山頂
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7:58−8:08 ここ樹林に囲まれて展望は無いが、幕営には適した場所だ。東側の急な坂を下ると茶水の森との標識がたった場所にでる。このルートには新しい標識が何本も立てられていて、それぞれにコケの名前と解説が書かれている。ここの標識にはホソバミズゴケと書かれていたが、この季節に見えるのは雪だけ。
8:58−9:18 麦草ヒュッテの前で休憩。よく踏まれていて雪も少ないので、スノーシューを外す。丸山までも急ではないものの長い上り坂が続く。
12:20−33 丸山の頂上でゆっくりと休憩。高見石小屋を通過して中山を目指して登る。ここも、長い登り。途中、立ち休みを挟んで呼吸を整えながら標高200mを登る。中山の東の肩は展望のいい場所だが、風が強く、記念撮影をしただけで退散
12:10−12:25 。西側に少し下りたところで休憩する。こちら側は、風も無く穏やかだ。地図を出して山座同定をする。手前に見えるのは男山、正面は御座山のようだ。その奥が分水嶺で歩いた尾根である。これからの行程についてメンバーで相談する。南には天狗岳が見える。まばらに雪が付いてミックスクライミングになりそうだ。メンバーも半減し、ロープも持っていないので、天狗岳から先は断念することで、直ぐに意見がまとまる。となると、下山ルートだ。HoRの計画書のエスケープルートは、中山峠から渋の湯、となっていたが、渋の湯は評判が悪い。稲子湯に入りたい、という意見が優勢で、東側に下りることにする。
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強風の丸山
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天狗岳・硫黄岳は次回のお楽しみ
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12:48 中山峠まで下り、分水嶺に別れを告げる。鎖に頼って東側の登山道を下る。しばらくは急な下り坂だが、20分ほど下ると傾斜がゆるくなる。幕営適地を探しながら歩く。
13:20 登山道の脇に平らな場所を見つけてテントを張る。昨夜の飲み残したワイン、ブランデー、TzWから差し入れてもらったウィスキーとお酒はふんだん。明日も3時間のくだりを残すだけなので、酒粕の鍋をつつきながら気を緩めて宴を楽しむ。
2011年12月30日 晴
明るくなるまで寝てようね、といっていたのだけれど、6時頃には寝飽きてしまった。朝食前のティータイムを楽しんだ後、おじやの朝食をとる。すっかり明るくなってからテントを撤収。モルゲンロートに照らされた稲子岳南壁が綺麗だ。
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快適なテント場
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稲子岳南壁
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7:40出発。ゆっくりと歩いていくと、何人かの登山者とすれ違う。彼らは山で年越しだろうか?
8:07−11 しらびそ小屋。振り返ると、みどり池越しに朝日に照らされた天狗岳が綺麗だ。思わず記念撮影をするが、山と人物の露出が違いすぎて写真にならない。今度は、しらびそ小屋に泊まって、日の出直後のモルゲンロートの写真を撮りたい。
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ミドリ池の向こうに天狗岳?
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朝日に輝く天狗岳
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稲子湯に向かって下る。昨日までは、ほとんど登山者と出会わなかったが、今日は何組ものパーティとすれ違う。黒百合ヒュッテや高見石小屋はにぎやかだろう。1880m付近で沢の左岸に渡るのが従来の登山道だが、通行止めになっており、右岸に作られた道を下る。「台風15号により通常の登山道は通行できなくなっています。」との表示があった。
9:31 稲子湯に到着。しっかりとストレッチをしてから、貸しきりのお風呂で体を温める。硫黄のにおいがするいいお湯だ。
11時に頼んでいたタクシーが10分ほど早く来てくれて乗り込む。松原湖 11:14の電車に間に合いますか?と聞くと、何とか間に合うという。これに乗り遅れると次の電車は13:20。昨夜降ったという雪の道をスムーズに走ってもらい、松原湖駅に11:10に到着。小海線に乗り込む。天狗、硫黄、横岳、赤岳、権現、と青い空に真っ白に輝く八ヶ岳の姿を車窓から楽しむ。小淵沢で下車し、入船食堂で一日早い年越し蕎麦を食べる。
分水嶺3年目の年末を締めくくる山行は、それぞれ、いろいろな思いを残す山行となった。三ツ岩の岩場は予想以上の難路だった。僕は、2003年の9月に歩いているのだけれど、記憶が飛んでいて今回の役には立たなかった。下山後に山行記を読み返してみると、予想以上の岩場だったという記述とともに、小学生連れのパーティに出会ったことが書かれていて状況を思い出した。一般登山道といえ、予習は大事だと再認識した。今回途中リタイアしたメンバーは、早くもリベンジの計画を立てている。山に対しては謙虚であることが必要であるが、挑戦する気持ちを持ち続けることが同じように大切である。