一昨年から清掃と登山道整備へと内容を変えた第26回清掃・登山道整備活動は参加者と関係者のご支援・ご協力の下に2008年4月19日(土)に参加者203人(内非会員7人)により実施されました。
前日は春の嵐で実施が危ぶまれましたが、まずまずの天候に恵まれて萌黄色の新緑に映える丹沢で清掃コースと登山道整備コースに分かれて恒例の活動を行いました。
当日の活動のために前年12月より月例参加会員による毎月のウッドチップの担ぎ上げ、自然保護部員によるゴミ調査、水切り用底板加工、水切り・ステップ用丸太の切出し加工・しおり作成・各リーダーへの活動資材発送及び一週間前の準備山行参加会員による資材担ぎ上げなどを延べ約140人で準備しました。

コース略図 山岳センター脇でゴミ計量
たくさんのごみ収集 ご苦労さま
清掃活動は昨年と同様4コースに分かれておこないました。清掃活動は自然保護活動の出発点であることから、会の設立以来毎年継続して行われています。清掃コース参加の117名で収集したゴミの総量は915kgになり、秦野市へ処分を依頼し引き取って頂きました。
戸川林道脇に棄てられた軽自動車 みくるべ林道脇に棄てられた冷蔵庫

最近の傾向としては、登山者はゴミ持ち帰りの意識が行き渡っていて登山道のゴミは減ってきています。それに反して林道では道路から一歩入ったところに、一般の生活ゴミや産業廃棄物などの不法投棄が目立ち、今後の自然保護活動のあり方を考えさせられました。市民や業者への呼びかけだけでなく、不法投棄に対する罰則強化や林道入口にゲート設置も考慮すべきではないでしょうか。

滑車の利用 丸太の切り出し
 あらかじめ許可を得た登山道周辺の国(民)有林の間伐材や倒木をチェンソーや滑車を使用して切出し、丸太水切りやウッドチップ用水抜きステップの工作など活動の準備をしました。切出しの際には滑車が威力を発揮し、60〜80 kgの丸太を急斜面から引き揚げ、有効利用することができました。
資材と用具の準備 ステップの組立・設置の説明
資材・用具を背負って 丹沢再生の幟を掲げて
来賓方も協力して まず路肩を補強
角材型水切りの設置 丸太型水切りの設置
 登山道整備は水切り3コース・ステップ2コース・ウッドチップ2コースで行いました。
 水切りは昨年までに設置した23ヶ所に加え、今回は昨年残の角材型2ヶ所と間伐材や倒木を利用した新たな丸太型3ヶ所を参加者33人で設置し、合計28ヶ所になりました。
 水切りの効果は雨による登山道からの土砂流失を防ぐと共に登山道沿いの森を涵養し、丹沢の水源とする役割を果たしています。
ぬかるみ対策:ウッドチップと水抜き丸太 ぬかるみ対策:二重土のう入りウッドチップ
 登山道のぬかるみ防止対策としてのウッドチップ2コースは範囲を天神平まで広げ、昨年から試行してきた二重土のう方式とウッドチップ・水抜き丸太方式を取り入れた方法で、参加者33人でチップの敷設を行ないました。これらの方法の効果については引き続き検証し、必要な手入れをおこないます。
丸太ステップ

 午後3時30分から大倉ビジターセンター前の広場で報告集会が開かれました。理事長からは清掃活動に新たに加えた過去3年間の登山道整備活動について高く評価する報告があり、来賓の神奈川県自然環境保全センターの山中自然保護課長、丹沢大山自然再生委員会事務局代表及び秦野市観光課の方々より当会の自然保護活動を評価するご祝辞を頂きました。
 昨年度からは丹沢大山自然再生活動が新たに県民協働事業としておこなわれています。みろく山の会も今年度より同事業に参加することになりますので、引き続きこの活動にご理解とご協力をお願いします。
 全員で清掃・登山道整備活動の旗印を中心に記念写真を撮影して解散となりました。これからも私たち一人ひとりの小さな力を集めて大切な丹沢の自然を守り、再生する大きな活動に育てていきましょう。